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アリスの誕生日は、アリスのホロスコープを読む日

執筆者の写真: 2025年研究会2025年研究会

ほぼ一か月ぶりのブログ更新です。今日はアリスベイリーのお誕生日。アリスへの感謝と親密な愛情が記事を書く動機になります。


先日、光線とホロスコープ研究会でアリスベイリーのホロスコープをリーディングする機会があったので、その内容をシェアすることで、今でも活きている彼女の愛と信念を感じてみます。




まずはアリスベイリーの出生チャート、ホロスコープです。占星術家むけの情報は水色の文字にしています。一般の方はよみとばしてOKです。


アリスベイリーの出生時間について

午前7時40分は海外の秘教徒に伝わっている時間で、正確なのかはわかりませんが、詳細な数字なので、アリスベイリーの研究家が調べたのかもしれません。しかし本人は自叙伝では「自分のアセンダントは分からない」、つまり出生時間は分からない…と語っていますので、ここでは参考程度にしてください。またトランジット表記はアリスベイリーが初めてDK大師のコンタクトを受け取った1919年の11月19日です。時間は不明(察するに午前中)ですが月星座は天秤座ではあるでしょう。(度数はともかく)



ざっくりとみると、牡羊座から天秤座の半分に偏ったホロスコープですね。アリスベイリーのホロスコープであることを忘れると、(世界大戦当時の時代背景を考慮して)自分の命を必死に守りながら生きている女性に思えます。このホロスコープの持ち主が「秘教徒の教師/秘教学校の創始者」であり、「ニューエイジの提唱者」になれたのか…。ここは後程、サビアンシンボルによって読み説きます。




次はアリスベイリーの光線です。秘教占星学を少し学べば、「双子座生まれだからやっぱり第2光線」なんだなーと、うっかり思ってしまうでしょう。光線とホロスコープ研究会では「新時代の弟子道シリーズ3-5」に登場するDK大師の弟子たちのホロスコープをほぼほぼ全員集め、本に記載されている彼らの光線とホロスコープを照合しました。すると、双子座生まれの全ての弟子が第2光線であるわけではないーとわかります。つまり【太陽星座=光線】ではないのです。また「アセンダント獅子座だから、第2光線」という【アセンダント=光線】でもありませんでした。


ホロスコープから光線を割り出すための、単純な法則は、いまのところ見つかっていません。ひとつ法則を見つけた!と思えば、他の弟子には当てはまらない…の繰り返しでした。


アリスベイリーの光線


魂光線  第2光線

パーソナリティ光線 第1光線

メンタル光線  第1光線

アストラル光線  第2光線

肉体光線  第7光線


このアリスの光線をみて感じるのは、イニシエートに近づくと光線も整ってくるなぁーということ。霊的進化を科学的にいえば「エネルギー体と魂、そして肉体の整列」ともいえますが、それは光線の整いにも表れるのでしょう。


魂光線・第2光線

先ほど【太陽星座=魂光線】ではないと書きましたが、双子座生まれの人には素晴らしい教師や講師がいるのも事実です。アリスベイリーも天性の教師だったと自叙伝から伝わります。双子座の親密性と社交性は、どんな人が生徒であっても、変わらない態度で接する気軽さを演出します。人を愛するとは、相手の内側にある思い込みや悩みを浄化して、気(エネルギー)を軽くすることなのだと、双子座は教えてくれます。


パーソナリティ光線・第1光線

私はアリスベイリーの霊性を感じると、これは牡羊座の土星と木星がもたらすリーダーシップに魂と協働したパーソナリティの存在を感じます。彼女自身は決して「私はえらいぜ、リーダーだぜ。オラオラ」というリーダーではありませんでした。信念(魂の意志)に支えられて生きるなかで降りてくるインスピレーションを、奉仕として行動、表現していた結果としてのリーダーシップだったと感じます。土星と木星ですから、人生の後半からパーソナリティの統合によって、魂によって導き出されたエネルギーなのだと思います。しかし、同時にアセンダント獅子座の第一光線がパーソナリティにカルマの課題を与え、それを乗り越えたらパーソナリティとして統合されたリーダーシップを与えた…ともリーディングできます。それは「貴族としてのプライド」ーというカルマを乗り越え、上品で謙虚な尊厳をもった女性としてのアリスを生み出した獅子座のストーリーに、第一光線の影響を感じることもできます。


肉体第7光線 第7光線が多く生まれる時代的な要因に加えて、同じ奇数光線としての「パーソナリティ第1光線の意志」との相性の良さを感じます。自分の意志が肉体に伝わりやすく、アリスは必死にシングルマザーとして生きながらも、神智学を全身全霊で学びました。しかしアリスの意志を受け取り、極限まで酷使された肉体は長寿には至らずに、余生を味わうこともなく、(秘教本を全巻書きだした)使命を終えた直後、クートフーミ大師のお出迎えをうけました。パーソナリティが第2光線だったら、もう少しリラックスして生きたのではーと思う反面、秘教本を残す偉業は達成されなかったかもしれません。



他にもメンタル、アストラルがありますが省略して、ホロスコープのサビアンを読みます。


サビアンシンボルとは…

詳しい説明はここでは省略しますが、12星座を一つの円にして360度、一つ一つの度数にシンボルをあてはめます。この情報は黄道帯の情報が映し出されるアカシックレコードの情報ーとも言われます。さらに詳しく知りたい方は「サビアンシンボル」でググれば沢山でてきます。

(占星術の余談は水色です。一般の方は読み飛ばしてもOKです)

占星術の余談:サビアンシンボルを発展させたのは二人の神智学徒でした。この点を現在の占星術家が見落としているのは残念です。そのうちに一人、ディーンルディアはアリスベイリーの友人でした。


アリスの太陽星座、双子座25.58です。私はサビアンシンボルを神智学徒でもあった直居先生(残念ながら2017年に逝去)に学んだ結果、一般的な占星術家が採用する一度繰り上げ方式はつかっていません。直居先生から学んだサビアンシンボルの本質は「エネルギーの流れ」であって、個人的にも、秘教徒としても納得しています。「アカシックレコードに貼り付けされた分離されたイメージ」として考えれば、一度繰り上げますが、私は繰り上げずに2つの度数(アリスの例でいえば太陽25.28度なので25度と26度)を合わせて「エネルギーの流れ」としてリーディングします。


よって今回は双子座25度と26度のサビアンシンボル、直居先生の言葉にアリスの人生を感じてみました。直居先生の言葉からの引用は緑で表示されています。



ネイタル太陽星座★双子座25度「庭師が大きなシュロの木を整えている」

アリスは探求したいテーマ(宗教や神智学)に出逢えば、集中力と能力、そして行動力も発揮できたのは、この双子座のエネルギーでした。諦めず、粘り強く作業を続ける庭師は、整えている対象(庭のシュロ)の未来像(ビジョン)を心に持ちながら剪定します。それはキリストの再臨というビジョンを持ちながら、そのビジョンに支えられて仕事を続けたアリスの人生そのものです。庭師はいつも次のステップ、育った先の進歩を見ています。そのビジョンそのものが喜びとして、アリスを軽やかに動かしたのでしょう。 「周囲に認められる満足感を積極的に求めてゆくとよい」と直居先生は書いていますが、自叙伝のなかに滲むアリスの承認欲求を言い当ててるように思いました。しかし、その承認欲求が純粋だったからこそ、その純粋さに響いた人たちが周囲に集まり、アリスを鼓舞することで、秘教本を完成させたのかもしれません。アリスが醸し出す純粋さは、たとえそれが承認欲求だったとしても、「アリスの役に立つことが癒し」と思う人を引き寄せたのでしょう。

「この人は社会に認められるが、過去生からの厳しいカルマを消化しないとならない。人は自分の力だけで成功するのではなく、天の力でそうなることを知って、謙虚さは失わないようにしなさい」と直居先生は書き残していますが、アリスは人生の前半は両親との死別、DVや離婚という形で厳しいカルマを経験しましたが、このように書き残すことで、この庭師のシンボルを全うしたと思います。


アリスベイリー「未完の自叙伝」より

このような主題について述べるのは難しいことです。なぜなら、形而上学や心霊主義の著作の多くはその知的レベルが極めて低く、内容もありきたりで平凡なので、教養のある人々は一笑に付し、わざわざ読もうとはしないからです。 そのため私は、一般のものよりも遙かに優れた著作を生み出すことができ、来たるべき世代が必要とする教えを伝える、それらとは違った印象づけやインスピレーションがあることを示したいのです。私は全く謙虚な気持でお話しています。なぜなら、私自身はペンか鉛筆に過ぎず、また自分が崇敬し、尊敬し、喜んで奉仕してきた方からの教えを速記して伝える人間でしかないからです。

私をこの自伝を書く気持ちにさせた理由の一つは、私たちとつながるグループと私が、ハイラーキーの導きと影響のもとで地球上で起きているいくつかの進展を見つめ認識する立場にあったということです。新しい時代と未来の文明を特に霊的な観点から幕開けすることを意図する仕事の一部を始動させるために、私たちは用いられてきたのです。 その年月を振り返ると、私たちを通してハイラーキ ーが間違いなく成し遂げたことが何であったかが、今では私たちにはとてもはっきりと分かります。こう言ったからといって、私は自慢とか自己満足の気持ちを示そうとしているわけではありません。 私たちは、知恵の大師方が働きかける多くのグループの一つに過ぎないのですが、このことを忘れるグループはどれも独り善がりの孤立主義者になる傾向があり、すぐに崩壊の危機に陥ってしまうのです。私たちにはいくつかのことをするのが許されてきました。他の弟子たちやグループは、彼ら自身の大師方の導きのもとで他のプロジェクトに着手する責任を負っています。こうしたプロジェクトはすべて、ハイラーキーによるインスピレーションのもとで、真の謙遜と理解をもって進展させるなら、 ハイラーキーが1925年に開始した偉大な霊的事業の要件に寄与するものです。


ネイタル太陽星座★双子座26度「霜に覆われた木が冬空にそびえる」 

このサビアンは「現実の壁、その厳しさを味わう」-冬の季節を表します。前の庭師の度数で「ビジョンに夢中になって軽やかに行動」していると、「期待通りにはいかない」という現象界の現実にぶちあたるでしょう。アリス自身も「天国からの素晴らしい啓示」を手にしながらも、世界に広めることに苦心しました。「理想的な天国から地球の地面に叩き付けられるような感覚をもたらすのは、理想が頭の中だけで発想されると大地はそれを拒むからである」アリスには夢見がちな性質があり、本人も認めているように「楽観的」だからこそ理想を語れたのでしょうが、現実は厳しいものでした。大卒ではないという理由で講演を断られたり、ユングにも冷たくあしらわれました。(あのシュタイナーもですが、当時は精神世界の探求者のなかにも女性蔑視はありました。それを跳ね除けて活躍したブラヴァツキー夫人、さすがのイニシエートでした)


しかし、現実世界の厳しさは、アリスベイリー個人の責任ではありません。私はプラス1度の度数は「その人が活きる現象界」なのではと思うことがあります。さらにいえば「自分の魂を磨くために現れる現象」でしょうか。


アリスは当時においては最も啓示に近い人物でしたが、その厳しさのなかで訓練したことで、「生きることへの根源的な感謝が生まれたら、この壁は忽然と消えていった」のでしょう。


アリスベイリー「未完の自叙伝」

悲しく困難なことを印象として残すだけではなく、喜びや幸せを感じることにも気づく力を養うことが必要です。悪いことばかりではなく、善いこともまた、記憶するに値する重要な全体像を形作っており、善いことのお陰で私たちは神の愛に対する信仰を持ち続けることができるのです。そして、悪いことは私たちを鍛え、熱誠を高めてくれます。日没の美しさに驚嘆して注視しているときの歓喜に満ちた瞬間、原野や田園の破られることのない深い静寂は人の魂を包み込みます―こういうことが最高の思い出になります。 何もかも忘れて心を奪われる地平線、庭園の豊富な色彩、友が友に声をかけ、語り合い、心ゆくまで親交を深めるひと時、困難に直面しても意気揚々と勝利する人間の魂の美しさ――こういうことを認識せずに、やり過ごしてはなりません。それらは、人生の調子を整える重要な要素であり、神聖さを表わしています。このようなことが忘れ去られることがとても多く、不快で悲しく恐ろしいことが心にこびりついてしまうのはどうしてでしょうか。どうも分かりません。 地球というこの変わった惑星では、苦しみのほうが幸せよりも強く刻み込まれ、長く影響を及ぼすよ うです。もしかすると、私たちは幸せが恐くて、「恐怖心」という大きく顕著な特性の影響で、幸せを追い払ってしまうのかもしれません。

研究会では金星や水星、MCやアセンダントもサビアンシンボルと共に読み解きましたが、ここでは省略して、最後にサイドリアルチャートでのアリスの太陽星座、牡牛座28.47度をリーディングします。




サイドリアル太陽星座★牡牛座28度「過去にいろいろなことのあった女性が新しい恋を経験する」


アリスベイリーの人生、まさに!のサビアンシンボル。彼女の人生を変えたのは離婚であり、フォスターベイリーとの新しい恋でした。彼の存在なくしては、秘教学の教師であり、アーケインスクールの創始者にはなれなかったでしょう。


しかし、「恋と再出発」は表面的なシンボルの意味。直居先生はさらに深い意味を伝えてくれます。「特定の物事への集中と、オカルティズムや神秘的なことに引き付けられる。独特な宇宙をみて、普通の人では成功できないことを成すが、内的混乱の危険性もある。客観的な思考力の発達がカギ」


このシンボルがサイドリアルの太陽でよかったーと思うのは、彼女はそもそもが双子座生まれのため、客観的な思考力は持ち備えていました。(そうでなければ自叙伝は書けません)私はサイドリアルはカルマを超えた結果としてたどり着ける、魂とのつながりを作るヒントであり、チャンスを示す度数だと理解します。とはいえ、研究中なので結論づけられませんが。



最後にサイドリアルで水星双子座の14.23度のサビアンシンボル。彼女の水星はネイタルでは蟹座11.5度ですが、サイドリアルでみると鳥肌が立ちます。双子座生まれのアリスですから、双子座の(一般的)支配星であり、弟子の天体でもある水星は、何かしらのヒントがあるとは思ってましたが。これもカルマを超えて辿り着いた結果としてのサイドリアル水星、双子座の14度です。直居先生の言葉に心が震えます。


ここは私の解説など必要ないでしょう。そのまま読んでください。



サイドリアル水星★双子座14度「物理的な空間と社会的な立場の違いを越え、 二人の人がテレパシーでコミュニケーションする」 このディグリーの人の人生の傾向は二つに分かれるかも知れない。 一つは、家族や仲間を大事にし、エネルギッシュに働く人生、もう 一つはこの人のアストラル体はかなり輪廻の中で成長を遂げており、 この人生でも叡智を学び、霊能を発展させてゆくスピリチュアルな人生である。この二つが人生で実現されてゆく人もいる。この人は全体に一般の人よりも、オーラに豊富なエネルギーを保有していることから、直感の力で思考を乗り越えてゆく。やらねばならないことは徹底的に集中し、行動する。また、考え方に他の人と違って、非常に深いものを持っている」



リーディングした情報を半分も書き残せませんでしたが、アリスの人生は聖者として完成されていたものではなく、苦労して試練に耐え、気づき、学び成長した人生であり、人の支えなくして偉大な仕事は成就しなかったのだーと伝われば幸いです。おそらく「偉大な啓示を下ろし広めるには人の助けが必要」だとわかっていて、この星回りを選んで生まれたのだなーとリーディングを重ねながら思いました。くわえて、その魂の計画を実行するには、過去からの厳しいカルマを調整することも受け止めた人生でした。


1880年生まれですから、144年前に生まれたアリスベイリー。こっそりと願うのは、いつか朝の連続テレビ小説でアリスの人生が取り上げられますように。ええ、日本のテレビ局ですから、日本に縁も所縁もないのは分かってますが…。アリスの人生は朝ドラ15分でも毎朝号泣できそうな山あり谷ありの人生ですから。


アリス、生まれてきてくれてありがとう。144年後の私たちにも、あなたの愛は届いています。



最後に占星術の話をして終えます。秘教徒の私にとって占星術とは「エネルギーの流れの科学」であり、人がそれぞれのイニシエーションの門をくぐったらチャートが変わる(ネイタルからサイドリアルへ)くらいに、ホロスコープは流動的に変化する…と感じます。そして直居先生から学んだサビアンは「エネルギーの流れ」の探求でもありました。ですから、ホロスコープは多次元構造かもしれないーという可能性に心を開いて、これからも研究を続けたいです。


秘教占星学(下巻)

新しい占星学は「魂の生活のチャートを描くことに携わる」という事実を再び繰り返したい。分配媒介である秘教的な支配星を通して、弟子の生活においてその役割を果たしている十二星座は、個人のチャートの顕教的な形態を次第に変質させるであろう。 これは、人間の様々なエネルギーを意識的にして、意図を通して集中させることによるものであり、条件づけるエネルギーに対するその人の消極的な反応には関係がないであろう。


追記:質問があったので、こちらに回答します。現在は研究そのものに多忙で、個人セッションはお断りしている状況です。サビアンシンボル、そしてホロスコープの多次元読みに長けてる占星術家(あまりいないと思いますが…)に、あなたが巡り合えますように。









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