蟹座ではじまる夏至の時間は、再調整をすることで仕切り直し、そして再出発する「至点」です。その至点では半年の経験が整理され、統合されます。
~ひとつ前のブログで書いた夏至の解説~
蟹座のみならずカーディナルサイン(活動宮)には、スタートの力がありますが、とくに蟹座は「再設定/再調整/再確認」があっての再始動です。この満月に至る週末において、「いままでと違う」感覚や経験、さらに意識が開いていれば、使命の再確認かもしれません。
そのような調整を超えて、再始動することで、ここから冬至への流れがよりシンプルに、より平穏な日々になりますように。

叡智は「蟹座の時期の太陽には不思議なパワーがある」と伝えます。不思議なパワーとは「見えない縁の時間を計る」太陽の作用が働くからです。難しくいえばカルマですが「普段はみえない縁を可視化してくれる不思議なパワー」だと理解ください。
蟹座に再生誕の法則の問題全体が秘められている。輪廻転生は、顕現している宇宙に潜在的に含まれている。~秘教占星学(上巻)
また蟹座は「記憶」と関係しているサインです。無意志的記憶を描いたフランス文学の傑作「失われた時を求めて」を書いたマルセル・プルーストは蟹座生まれでした。
くわえて蟹座は「国家」とも関係しています。国とは「その場所で起きた記憶を再生しながら、構築しなおす集合体」ともいえるでしょう。イスラエルが悲惨な戦争をしているのもまた、過去の記憶の再現であり、それを難しくいえばカルマです。

カルマの主は土星ー山羊座の支配星であり、山羊座の反対極が蟹座です。山羊座のカルマの司る反対側の蟹座で、生命の再生誕が起きます。平たく言えば…山羊座が「お前には〇〇のカルマがあるんだから生まれなおしてこい」と宣告したら、蟹座がその人の再生誕を引き受け「頑張ってきてね」と送り出し、輪廻転生させるのです。
蟹座の一般的な支配星が「月」なのは、「再生誕せざるを得ないカルマがある人」にとって「肉体」が必須だからでしょう。肉体の原料は、その昔は月で作られたため、いまでも人体は月の満ち欠けの影響があるのです。DK大師は蟹座を「誕生の宮、肉体転生の扉」と説明します。
しかし、蟹座の秘教的支配性は海王星です。霊的成長を成し遂げたイニシエートの再生誕の理由は、カルマではなく「救済」だからでしょう。世の役に立とうと考える天才的な子供たちを目の当たりにすると、蟹座の支配性が海王星であるーという秘教的な真実が明らかになるのに、そう時間はかからないかもーと期待します。

また夏至は「時間よとまれ!」という魔法がかかる時間帯。「太陽が止まっているように見える」作用があるので、その時間帯に「縁を仕切りなおせる」のです。これは希望的観測ですが、厳しいカルマの主(山羊座)が忙しく働く間に、蟹座がこっそりとカルマを調整することもあるように思えます。腐れ縁を終わらしてくれたり、出会うべき人との出逢いを速めてくれたり。なので、夏至前後におきる人間関係の変容は、不思議なことに「自然体」であることが多いです。
蟹座が司る「記憶」が蘇ったり、またはカルマが終わったり、縁がほどけたり…。偶然隣に座った人と縁が続いたり、予約なしに人に会えたり、デジャヴのような感覚を体験したり、何十年ぶりに偶然に友人と再会したり。または長年苦しんでも手放せなかった腐れ縁が、スルスルと終わらせることができたり。
それは何故におきるのか?蟹座の真の支配性が海王星が、地球全体が浸っている直線的な時間の幻想を、曲線にして(縁と縁をつなぎ)、その幻想を超越する機会にするからです。
転生の過程へとつながる磁力的つまり引きつける主要な焦点を形成するのは、蟹座の集中したエネルギーである。蟹座の扉を通して、「魂を経験という闇の場所へと導く磁力的魔術的な光」が流れる。 ~秘教占星学(上巻)
まだまだ週末いっぱいは夏至時間。この時期の小さな変化は、必ず未来に続く種があるでしょう。変容を見過ごしませんように!
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