牡牛座新月によせて
- 2025年研究会
- 4月28日
- 読了時間: 6分
「牡牛座の目」
啓示の母と呼ばれ、神の声の通訳者であった。

いま私たちは魚座と牡羊座のエネルギーが重なる時期にあります。「終わりは始まり」そのため出来事を深く、広大な視野、もしくは慈悲の心で捉えることができるでしょう。去るべきものを祝福して、来るべきものを拒まず受け取れます。2026年2月ころまでは「大きな移行の流れ」のなかに私たちはいます。特にいまは過去から未来への流れを感じながら、品位をもって締めくくりができる時です。

いま惑星は水瓶座から獅子座の間の黄道帯の半分を占めており、蟹座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座に惑星は存在しません。約 180 度の空の領域が 6 つあるため、これは完璧な「ボウル」と言われるパターンで「特別な意識」が生まれる天体図です。低位で捉えれば「特定な価値観への固執」ですが、高位の意識であれば「使命の固定化」と捉えることができます。
奉仕者であれば「何を仲間に与えられるか」をはっきりと明確にできる時でしょう。ボウル型の出生図を持っている人は、自分がすべきことが「偏っている」ことに気づきながらも、仲間思いの方が多くいます。(とはいえ、出生図のハウスに左右もされるので確定的ではありませんが)
土星と金星の魚座での合(コンジャンクション)
2日前には完璧なコンジャンクションでしたが、新月では1度の開きがでてきました。でも土星魚座のパワフルさは引き続いておきています。後半度数なので既に破壊や変化は起きたなかで、ここから次の始まりのために自分を整えるような時間帯です。
27度~29度のサビアンシンボルを読んでみましょう。
27度「仲秋の名月が澄みきった秋の空に輝く」
28度「満月のもとの肥沃な土地に、よく育った色とりどりの野菜がある」
29度「あたかもプリズムに通すかのように光りが多くの色彩に分岐する」
名月が満月となり、苦労して育てた豊富な野菜を収穫する…でしょうか。かなり幸福感に満たされた流れです。これを秘教的に解釈すれば「過去生の善行が弟子道を歩み出す結果につながり、その実りを感じる時期を過ごしている」かもしれません。苦労して育てた野菜は「善きカルマの報酬」であり、魂は「弟子道を歩み出す」という収獲を得て、新しい使命へと 踏み出そうとしていますが、忘れてはならないのは責任です。直居先生は28度を「責任と闘う度数」と解釈していました。土星も金星も魂意識の弟子の聖惑星なので「責任」を引き受ける覚悟は、新しい世界にいくパスポートとなるでしょう。最後の29度は「分裂の度数」とも言われますが、私自身は「奉仕」とも考えています。野菜を分け与えることで、魚座は世界救世主のストーリーを完結させるのでしょう。

水瓶座の冥王星
いま冥王星は水瓶座4度にありサビアンシンボルは「ヒンドゥー教の癒し手」です。これは「集団的な意識の種子」が発芽するために、重大な浄化を経験することを意味します。フランシスコ教皇の葬儀が与えたインパクトでしょう。私達の世界に何が必要なのか―を死によって明確にしたように感じます。
また神聖な力の発芽が促され、癒しのエネルギーを発揮できる時ですが、あなたが「世界の癒し手」となるかーは、あなたが属している仲間、グループの性質に依存します。ヒンズー教は「グループ活動」の例えでもあるので、そのグループに神性な目的があれば、世界の癒し手になれるかもしれません。

獅子座の火星
この新月の特徴的な「ボウル」は水瓶座冥王星で始まり獅子座5度「深い谷の片側にある見慣れた岩」の火星で終わるため、「仲間と共に準備してきたことを成し遂げるために表現すべきことを理解して準備を完了させる」と解釈できます。ですから新月なのですが、準備の完了なのですが、準備が終われば、本番が始まっていくので、終わりと始まりが同居しているような感覚でよいのでしょう。
この獅子座の火星は力強く、行動の動機に「普遍性」を求めます。それがプライドの高さ、近寄りにくさ―に見えるかもしれませんが、いま普遍性は手放してはならない価値だと教えてくれます。獅子座は不動のシンボルなので、行動における一貫性、変わらない価値観への忍耐力をもたらしてくれます。準備のために積み上げてきたことがあれば、誰が理解しなくても、誇り高く在ってください。

新月の牡牛座太陽
新月は、その翌月に起こる出来事の種をまくーとも言います。ですから新月の太陽の位置を知ることでウエサク祭の5月の出来事を予測します。
まずは牡牛座7度のサビアン「サマリアの女が古い井戸のところでイエスに会う」を解釈すると「古いものから未知の世界へ誘い。覚醒」となりますが、私自身は「イエスに会う」を文字通り「今まででそこにいたキリストようやく気付いた」と受けとめたいです。直居先生は「美しいシンボル」だと評して、「イエスを見ただけで啓明されるというヴィジョンは普遍的な愛を感じさせずにはいられない。それ故、高次の愛を目指したり、深層意識に潜在する真理を探究する傾向があると取れる」と書いています。そして「古い井戸」は人間の内面に例え、「汲み尽くせないほどの宇宙の神秘が隠されている」ために純粋であることをコツとしています。

シンプルにいえば「愛の祝福に包まれて未知の世界に喜びをもって一歩踏み出す」エネルギーのなかで、次の牡牛座8度のサビアン「まだ雪に覆われていない地面に置かれているソリ」をリーディングします。
牡牛座8度の私の解釈は「先駆者の予言的なビジョンに従う」です。つまり「未来の可能性、そのビジョンに自分を完全に一致させる準備」が、この新月前後に起きていればよいのです。イエスにあって高揚感から一歩を踏み出したのはよいけれど、はてさてどこに行ったらいいのやら?と思った古い井戸の女性が「自分の啓示をまとう」と理解する流れです。普通に考えれば「一歩を踏み出す前に目的地を設定しろ」ですが、高揚感が先立つことは人生で起こることです。
ここでは少しだけ「ブレーキ」がかかるイメージかもしれませんが、考えてみたら新月からウエサク満月は2週間あるわけですから、慌てる必要はありません。「踏み出したい気持ちはあるのだから、呼吸を整えて、啓示をまとう」と、サビアンシンボルのように「雪が降る」のを待ちましょう。
直居先生は牡牛座8度を「インスピレーションや直感の発達」とも書いています。ウエサク祭ですからぜひ「みんなに分け与えられるインスピレーションこそが魂の御業」だと覚えておきたいです。
ですから新月が種をまく時期であれば、来月は「インスピレーションや啓示が発芽する時間」になるのでしょう。このウエサク祭の秘教本部(Lucis Trust)のテーマは「新たな啓示/ビジョンをみよう」です。
自分で書いていてウエサク祭への忖度か?と思うほどの完璧な新月。天の計らいは本当に美しいーと感じます。

まとめ
いずれにしろ「準備の終わり」です。仲間との絆の再確認、責任感の引き受け、奉仕の心づもり、普遍性への集中…などの準備をすすめて、次の啓示/インスピレーションを待つ時。
イルミネーションに満ちたウエサク祭となりますように。
追記:私は世界的な視点を保持したいために新月満月のホロスコープではハウスは重視しません。ですが今回は12ハウスから1ハウスにかけて惑星が固まっており、とくに12ハウスのパワフルさを感じました。秘教徒は12ハウスを司るので、自分に起きている活動の方向性の確かさを認識した次第です。
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